2012年01月19日

老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる



世の中に数ある整理本と違って、モノを減らしたり、整理したり収納したり、といったテクニックは、ほんのわずかしか書かれてない。
もし、「老前整理しよう!」と決意してから読むなら、他の本を読んだ方が良い。

この本は、「老前整理って何だろう?」とか、「漠然と老前整理について不安に思ってるけど、どうしたら良いんだろう?」とかっていう人が読んで、「老前整理しよう!」って決意するための本だと思う。

この本を手に取るには、私は少し若いかもしれない。
けれど、親の老化とか考えると、老前整理っていうのは、今から考えても遅いくらいかもしれない。

どんなに整理されて、簡素な生活をしている人だったとしても、その人が亡くなったら、部屋や家丸ごと整理、処分する必要がある。
人間が80歳まで生きるとしたら、歳の差が20の子どもはその時60歳、30の子どもは50歳、40の子どもは40歳。
その時あなたは、一軒の家を丸ごと片付けて、形見と財産を残し、不要な物を処分する気力と体力があるだろうか?
たくさんの整理や片付けに関する本を読んできたけれど、それを考えると、正直ゾッとする。

財産のほとんどない親と同居し、親の死後も同じ家に妻や子どもと一緒に住み続けることが、ほぼ確定している私ですらそうなのだから、別々に暮らしている場合には、どんな想いがするだろう?
また、実子がない場合は、自分の死後、誰にどうやって何を基準に処分、片づけをしてもらうのかを考えておかなければならない。
こんな風に考えてみると、「老前整理」は、すべての人にとってあまりにも身近で、喫緊の課題だと思えてなりません。

遺品整理業者をテーマとした、「アントキノイノチ」などを読むと、余計にそれを強く感じます。

老前整理 捨てれば心も暮らしも軽くなる

目次
第1章 老いるほど、捨てられない(売れない時代でも買ってしまう不思議
新しいモノを買ってはスキマを埋める ほか)
第2章 モノの整理は、心の整理―わくわく片付け講座(まずは、いまの暮らしを見直そう
片付け後のイメージを膨らませよう ほか)
第3章 捨てれば、心も暮らしも軽くなる(捨てるのはモノだけではありません
明るい老後はお付き合いの棚卸しから ほか)
第4章 よりよく生きるために、いまからできること(失われた日本人の暮らし
ゴミ屋敷、ほんとうに笑えますか? ほか)


印象に残った部分を引用。

私がお伝えしたい「老前整理」において最も大切なことは、あなた自身がこれから楽しく充実した人生を送るうえで本当に必要なモノだけを取捨選択する力を身につけること、そのためにまず頭と心を整理することです。

P5 はじめに


ケアマネージャーの資格を取りました。それから半年間、週三日、有料老人ホームで、ヘルパーの方と共に介護の仕事をしました。さらに次の半年は、在宅介護のケアマネージャーとして、実際にお年寄りのご自宅をたくさん訪問してケアプランを立てたり、お話をうかがったりしました。
そこでいくつかの大きな気づきを得たのです。
ひとつ目は、二〇〇〇年に導入された介護保険のお陰で、高齢者宅においては、手すりの取り付けや段差解消といったバリアフリー化がかなり進んでいること。
ふたつ目は、多くのお宅ではモノが多すぎて、せっかく取り付けた手すりが使えなかったり、廊下や通路は車椅子が通れなかったりすること。床に置かれたモノが転倒の原因になる場合もあること。
三つ目は、いざ身動きが取れず老人ホームなどに入るとなったら、持っていける荷物がものすごく少ないということ。
現場を見れば見るほど、バリアフリーの問題よりも、モノが多すぎることを目の当たりにして驚いたわけです。
(中略)
他人から見れば無駄なモノの集まり。
とても危険に見えても、ご本人には憤れ親しんだ環境で、それを変えることは、すごくエネルギーのいることです。ヘルパーさんは、モノのないところを簡単に掃除したり、洗濯物をたたんでどこかに置いたりすることは作業の範囲内できます。でも不要そうに見える荷物でもそれを勝手に移動することはできません。
片付けについても同様です。
ある程度片付いているお宅であれば、同様にモノを片付けられますが、片付いていないところほど動かせない。そこは盲点というか暗黙のルール。あえて言うならば、誰も手を出さない領域なのです。
体力の衰えた高齢者は、ただでさえ足下に不安がありますから、住環境はフラットで障害がないほうがいい。ところが、せっかくバリアフリー工事で手すりがついても、じつは大量のモノがバリアとなり、それが日常生活における最大の障壁になっているわけです。
私自身が現場で強く感じたこの切実な問題は、ご家族やヘルパーさんは実感していても、誰も踏み込めないのです。
P21 第一章 老いるほど、捨てられない


繰り返しますが、モノあふれの介護現場について、介護の当事者はもちろん問題意識をもっておられます。周囲のご家族もまた同様です。
ところが肝心のご本人はそれに気づいておられない。
もしくは、気づいていても対応をされない。というのもそもそも、そこが問題で、高齢の方ほど、モノが減ると不安を感じられるのです。
高齢者というのは基本的に年金生活者が大半ですから、新しく収入が入るわけではありません。どちらかというと決められた額のお金と蓄えを取り崩して生活をしておられます。お金は確実に減っていく。だからこそ、モノだけでも減らさずに維持したいという気持ちが、モノへの執着につながり、モノを溜め込んでしまうということもあるようです。
現場でわかったのは、ある程度の年齢を超えられた方ほど、モノがあることが安心感につながるということでした。ガラクタであろうが中身がなんであろうが、これまで一緒だったモノたちに囲まれていることで安心されるのです。
それに対して、「これ、もう使えませんよね。捨てますよ」と処分してしまうとガクッと落ち込んでしまわれます。おまけに、その場では、「わかった、わかつた」と言って捨てても、翌日にはまた戻っている。
じつは捨てることに納得しておられないのですが、ヘルパーや家族と口論をするのは嫌なので一歩譲った振りをして「うんうん」と聞いた振りだけして、その後、ゴミ置き場から拾ってこられるのです。
それは、まだマシなほうで、極端な場合は、盗難騒ぎに発展します。
「捨てますよ、いいですね」と了解を得て捨てたつもりが、「持っていかれた!」とか「泥棒が入った!」とか「あなたが盗ったんでしょ!」といったことをおっしゃるお年寄りも少なくありません。おまけに、ここに認知症が重なると話はさらに複雑かつ面倒になっていきます。
P25 第一章 老いるほど、捨てられない


片付けには、気力・体力・判断力が欠かせない。
年をとればとるほど、捨てるという決断がしにくくなる−−。
だからこそ、老いる前に整理することが求められるわけです。

P27 第一章 老いるほど、捨てられない


あえて厳しいことを言えば、いまは元気な団塊世代が高齢になったときには、介護の人手も足りず、子どもの数も少なくなります。ヘルパーさんの数も増えているかどうかわかりません。いちばん人数の多い人たちがまとめて退職の時期を迎えるのはもう間近。ですから、前もってきちんと整理をしておかないと、たぶん一〇年、一五年後では遅いかもしれません。
それより若い世代の皆さんには、まだまだ先のことでしょう。
でも、だからこそ気力・体力・判断力ともに充実しているうちから、モノを整理する準備、不要なモノを捨てる決断力を養って、将来に備えておかれることをあえてお勧めしておきたいのです。
そうすれば、いまよりもっともっと暮らしを軽やかに楽しめるはずです。
あなたもそう思いませんか?

P28 第一章 老いるほど、捨てられない


私も親戚の遺品整理をしたことがありますが、そのとき、ふと気づいたのです。
この世からいなくなるときはひとりだということに。
もし、いま自分が急な事故で死んでしまったら誰が私の遺品を整理するのだろうか。私が死んだとき、後のことを誰が見てくれるのだろうか、と。
死んだらおしまいだから、そんなことは気にしないという方もいるでしょう。
でも、私は気になります。寿命は人の意のままになりませんが、身辺整理はしておくことができます。
そのときは老前整理を思いつく前だったのですが、遺品整理がどんなに大変かという体験もまた、老前整理という発想の根本にあります。
遣品整理では遅すぎて、少なからず他人に迷惑をかけてしまうのです!

P35 第一章 老いるほど、捨てられない


きちんと納得できる基準をご自分で決め、何もかもを捨てるのではなく、使うと決めた良いモノだけは残し、愛して徹底的に使えばいいのです。

P89 第二章 モノの整理は、心の整理−わくわく片付け講座


「わくわく片付け講座」のワークショップでは、達成感、モチベーションを高めながら、継続して実践していただくためにニカ月分のカレンダーとシールを一シートお渡ししています。それをラジオ体操のように「今日はやりました」といった感じで貼っていただくのです。
片付けした日にシールを貼っていただき、それがニカ月ぐらい続けば、多くの場合、整理が継続し、習慣化していくようです。

P117 第二章 モノの整理は、心の整理−わくわく片付け講座


老前整理が提唱するのは、決して厳しい管理ではありません。節目に不要なモノを見直してみようということ。一人ひとり、ご夫婦ごとに心地のいいラインで、調整できればそれでよいのです。
几帳面な人もいれば、ある程度モノがないと落ち着かない、きっちりしすぎると落ち着かないという人もいます。ですから、やや矛盾しますが、モノの多い少ないではかれないところも多分にあります。

P141 第三章 捨てれば、心も暮らしも軽くなる


老前整理を単なるモノの整理としてとらえるのではなく、失われた人間関係を取り戻すきっかけづくりとして生かせば、あなたのこれからの人生は深く豊かなものに変えられるのかもしれません。そうなれば、おひとりさまの暮らしも、より魅力的で素敵なものになりそうですね。

P156 第三章 捨てれば、心も暮らしも軽くなる


私の会社名、くらしかるは余計な物を手放すことによって、暮らしが軽くなるという意味と、暮らしをかんがえると、クラシックのクラシカルという三つの意味をかけあわせたものです。日本人が昔から培ってきた文化やモノを大切にするシンプルな生活の仕方をもっと大切にしようという提案につなげていきたいと考えています。

P184 第四章 よりよく生きるために、いまからできること


老前整理を実践すれば、最後はいかに生きるかということを必ず自分に問いかけることになります。繰り返しになりますが、それは単なる片付けノウハウや小さいスペースを有効活用するといったこととはまったく異なります。

P185 第四章 よりよく生きるために、いまからできること


最近は整理術がブームのようですが、若い人にとってのモノの整理は、片付けて幸せを手に入れるといったように、どことなく「自分探し」のような・・・・・・。
でもたとえば、親元から離れて一〇年くらいで三五歳の女性に溜まったモノと、六〇歳で結婚から三五年積み重なった女性のモノの整理は同じだと思いますか?
若い方は、どうしても整理というと「片付けの方法」つまりテクニックだと思いがちです。
「自分探し」はどちらかというと、自分の可能性を広げる拡張の作業。
対して、老前整理は、それまでの経験を元に、より濃密な時間を過ごすための凝縮の作業ではないかと思います。
これは同じように見えても、まったく違うと思われませんか?
だから「老前整理」を始めたのです。
そして、この本が一人でも多くの方のきっかけになればと思っています。

P198 あとがき

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posted by わけい at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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