2012年03月12日

わが子を天才に育てる家




あまり期待せずに読んだのですが、とても良かったのでご紹介。

建築を通じて、子育てのあり方、さらには生き方をも考えさせられます。
建築に留まらず、心理学や脳科学、果ては風水を「統計学」と捉える内容で、ページ数の割に幅広い知識と、著者の人間性が込められているように思いました。

家を通じて、人生の深さ、幸せを温かく考えることができるので、繰り返し読むにも適した本だと思います。

わが子を天才に育てる家



目次
【はじめに】
【プロローグ】 「勉強部屋なんていらない!」本当の理由
子供にとって勉強部屋って必要?
子供が社会に出るときに大切な才能の資質とは?
今の住環境は日本人に合わず歪が生じている
成績がぐんぐん伸びる勉強場所とは?

【第1部】個室は子供にこんな影響を及ぼす
もともと日本には子供部屋という概念がなかった
部屋を欲しがる子供の本音とは?
一人きりの勉強部屋が子供に及ぼす影響とは・・・など

【第2部】わが子の才能を育むために知っておきたい家造り13のポイント
子供特有の家の機能を知って活用しよう
子供目線での子供部屋の機能を理解しよう
家の規模別による子供部屋の広さや機能を押さえよう・・・など

【第3部】家族が幸せになる!子供がクリエイティブに育つための住まいのQ&A
完全な個室にしたほうがいいでしょうか?
子供にとって危なくない家にするにはどうすればいいでしょうか?
天才を育てるには天井が高いほうがいいのですか?
家造りを考える際、子供の意見はどこまで取り入れるべきでしょうか?
子供がクリエイティブに育つ間取りというのはあるのでしょうか?・・・など


印象に残った部分を引用。

P7
本書のタイトルには「天才に育てる」とありますが、「天才」と聞くと特別の人にしか持ち得ない才能のように聞こえるかもしれません。しかし私は「その子本来の才能に気づき、ワクワクしながらそれに取り組んでいる状態」がまさにその天賦の才にあたると考えています。


P21
履歴書には、どこの学校を出たのかを記入させず、高卒、大卒、院卒しか見ない企業も多いと聞きます。もちろん、学歴を重視しているところもあるでしょう。しかし面接を課さない入社試験はありません。
最終的に採用決定に関して共通しているのは、面接時に自分の言葉でコミュニケーションできているかです。これは興味深いところです。「面接官はほとんどのマニュアル本を読んでいるから、答え方を聞くだけで、あの本のどこに載っている言い回しだとわかってしまう。逆にこの子は大丈夫だと思わせる子は、自分のやってきたことに自信を持っていたり、自分の好きなことが何かを知っていて、まわりにも応援されてきたことが伝わってくるよ」といっています。
このように考えると、住環境が、幼少のときから自分の才能に気づき、まわりの人間もそれを信頼して応援してあげ、自信を持って人にアピールできる人間性を育める場所かどうかというのが、子供の将来性を伸ばす鍵になりそうです。


P25
子供の能力を伸ばすという視点で見ていくと、学校の成績が伸びている子供が家のどこで勉強しているかは興味深い要素の一つでしょう。
ところで、どこだと思いますか。
以前セミナーでこの話をしたら「自分の部屋」「リビング」「塾(自分の家じゃないですよ!)」などといった答えが出てきましたが、正解はダイニングです。食事をするテーブルで勉強しているのです。
(中略)
そこには心理的背景が明確にあります。「子供にとっての母親の存在」が深くかかわっているからです。心理学的にも、子供は母親のそばだと安心して未知のことにチャレンジするといわれています。「私が目を離している隙に何をするか心配で子供から目を離せない」といわれるお母さんもいますが、逆に母親の目から離れている場所では、子供は不安になり、一般的には既知のことしかできないようです。これは建築士としてもとても興味深いことです。
(中略)
このように、ダイニングだからいいというのは表面的な答えであって、住環境のことを考えるうえでは、心理学的要素も重要だと私自身実感しました。その側面で見ると、「子供にとって親の存在を感じながら安心してチャレンジできる場所が家の中のどこか」ということがポイントになるのです。勉強部屋がどうしてうまく機能しないのか、そして子供のやる気を挫き、親子の関係にまで影響を及ぼしてきた背景が見えてくることでしょう。


P46
子供の発達に合わせていうと、個人差はありますが、生まれてから三歳くらいまでは、精神的に母親と一体化しています。その後、自分は母親とは別の人格で、別の存在ということを意識しはじめます。そのときに自分の領域がほしくなってきます。ただ、小学生くらいまでは「いきなり個室がほしい!」というわけではなく、リビングの片隅に自分のコーナーがあるだけでも十分満足します。
それが第二次反抗期を迎えるようになると、より明確な自分の領域としての個室がほしくなるのです。それが子供の本音です。


P50
居室化した子供部屋が、もう一つ大きな影響を与えているものがあります。それは、親子のコミュニケーションです。例えば、子供が学校から帰ってきてもすぐに部屋に入ってしまうので、仮に学校で何かあったとしても、それを察知するのがむずかしくなります。
それに対してアメリカの場合は、思春期には若干違いますが、基本的に寝るとき以外はあまり部屋には入らず、家族と会話することを楽しみにしています。そんな子供が学校から帰ってきたときに部屋にこもれば、一目瞭然で「何かあったのね」と気づくでしょう。この場合は、ドアをノックして「どうしたの、部屋に入ってもいい?」と話しかけ、親子でコミュニケーションをとる習慣や文化がアメリカにはあります。ハリウッド映画などでもそういった風景をご覧になった人もいるでしょう。


P62
私の大好きな登山家で世界の多くの山を制覇したラインホルト・メスナー氏が次のようにいっています。「私はこれまでたくさんの山を克服してきたが、世の中で一番大変な事業は子育てだ」。あらためてこの言葉の意味を深く理解できたように思います。
一人で子育てをしている現状は、それくらい大変なことだといえるでしょう。シングルで子育てをしている方の場合もそうでしょう。
だから、子育てをしているのが自分の場合は、それくらい大変なことをしているのですから、まず自分にも優しくなってみましょう。そしてパートナーの方は、それうらい未曽有のことをやっているのだと理解するところからはじめましょう。そしてできれば感謝の言葉を心からいってみましょう。それだけでも、子育てをしている方は癒されます。私もこれを書きながら妻に感謝の気持ちを伝えなきゃと反省しきりです。


P88
「最終的には夫婦だけで住む夫婦のための場所になる」
六〇歳以上の方からは、「子供たちが巣立って、家の中があまってしまいました。特に二階にある子供部屋は今、納戸になっています。でも足腰も痛いからなかなか掃除にも上がれない。どうしたらよいでしょうか?」という相談を受けることが多くあります。


P100
そして今、子供にどんな部屋を与えたい、与えたくないと考えていますか?


P118
家の使い方のルールを決めよう
・子供部屋に鍵をつけるかつけないか
・つけるとしたら何歳から鍵を渡すか
・鍵をつけないとしたら部屋の家具を親は絶対に明けないなどルールを決める
・そのために洋服ダンスなどは、子供自身で整理整頓することを一緒にルールにする
・部屋は自分で掃除する、一週間部屋の掃除をしなかったら部屋は没収
・家に帰ってきたら部屋にこもらずリビングに来る
・部屋で勉強したいときは、どうして部屋でやりたいのかを話し合い、期間を決める
など、子供部屋の使い方を決めていくことも大切でしょう。
「でも、ルールを決めても本当に子供はいうことを聞くのかしら?」
「縛りをつくるほど窮屈になるのでは?」
と思う方もいると思いますが、ここでポイントがあります。
これは実際に親子関係の専門家から聞いた話ですが、これらのルールは親が決めるのではなく、子供に決めさせるとほとんどの場合、子供はルールを守るそうです。朗報だと思いませんか。


P125
朝、起きがけの子供をギュッとハグして、「お母さんはあなたのことが大好きよ」というだけで、子供は、この家が安全でリラックスできる場だと実感するでしょう。


P130
いつから一人で寝かせるかは、「子供に聞いてみる」のが一番です。ただし、一つだけ注意が必要です。一度一人で寝はじめたからといって、ずっとそれが続くとはかぎらないということです。たまに寂しくなって親と一緒に寝たくなることもあるものです。しかし、そのときに「あなた、一人で寝るって決めたじゃないの!」といってしまうのはよくありません。
一人で寝るという行為は、子供にとっても、大きなチャレンジで、不安もたくさん感じるものです。そのときに「いいわよ、じゃ今日は一緒に寝ましょう」といってあげると子供は「いつでも一緒に寝られる」という安心感が芽生えます。
家庭内で子供の成長を後押しするのは、この「安心感」です。安心感があると子供は自立しやすくなります。また一緒に寝る日が続くのでは、と心配になることもあるでしょうが、大きな愛情の中で安心感が芽生えると、子供は自発的に自分の領域がほしくなるタイミングで、一人で寝たくなるでしょう。あせらず、子供のタイミングを見てあげられるかどうかが重要です。


P150
実は、照明の色によって、脳の働きも変わってきます。より青白い光のもとでは、冷静になって左脳的な論理的思考が活性化しやすくなり、温かい色の光のもとでは、右脳的な感覚、感性の部分が活性化しやすくなります。そこを使い分けることがポイントです。
例えば、勉強する場所は青白い光にし、家族団欒でゆっくりしたい場所は暖かい色の光にするなど工夫するとよいでしょう。


P158
間取りのことに先がけて「どうすれば、子供は自分たちと一緒にいるのが楽しいと思うのだろうか?」と考えることが重要です。
というのも、もともと子供は家族と一緒にいるのが大好きだったからです。第二次反抗期に入ると、部屋に入る時間も増える可能性はありますが、それでも家族と一緒にいる時間を楽しく過ごしてきた子供は、親に悩みを話したりして、家族と一緒にいる時間も大切にします。家族心理カウンセラーの妻とそのあたりの話をしていて気づいたことがあります。それは子供が部屋に引きこもるには大きき二つのタイプがあるということです。
一つは、小さいときに両親と一緒に過ごす時間が少なすぎたり、たっぷり愛情を注いでもらえなかったタイプ。もう一つは、過干渉で育てられたタイプです。前者は、一緒にいても、自分を理解してもらえないという絶望感がいっぱいで、後者はかかわられすぎて「ウザイ!」と束縛感を感じています。もし、わが子が引きこもりがちな場合は、自分の子供がどちらのタイプかを知って、それに対応していくことが重要でしょう。


ある女性がやはり包丁を持っているときに四歳になる女の子が「ねぇ、ねぇ」とやってきたそうです。そのときに「あ、来たわ」と思いながら、包丁をキッチンの危なくないところに置いて、体全身で子供のほうに振り返り「どうしたの?」と話しかけました。
すると、その子供は、笑顔で夢中になって話しかけてきたのですが、一分くらいすると、またリビングのほうに走っていったそうです。もし、このとき、まな板で材料を切りながら、横顔で「なぁに?」といっていたら、またいつものように子供がぐずりだしていたと思うと、その女性がいっていました。
このように考えると、子供の優先順位は、親がどれだけ自分のことを見てくれているのかということだとわかります。
これが如実に表れる場所が、家の中ではキッチンの形状です。例えばダイニングに背を向けたキッチンや、部屋が独立したキッチンでは、これらのことを習慣化させるには、常に体をひねって対応するなどの意識が必要になります。それに対して対面式のキッチンは、テレビを見ながら料理ができるというだけでなく、子供が「ねぇ、見て見て!」と話しかけてきたときにも即座に対応しやすい形になっています。
しかし、せっかくの対面キッチンでも、横顔で「なぁに?」とやっていたら台無しですので、先ほどの例イメージしてトライしてみましょう。


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<参考リンク>
東京、広島を拠点にする建築家、建築設計事務所、一級建築士事務所 KEIZO ARCHITECT OFFICE
http://happyseez.blog37.fc2.com/tb.php/178-cd152db8

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posted by わけい at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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