2013年05月02日

新庄くんは、アホじゃない!(中田 潤)

学生の頃、親友に勧められていたのに、今頃になってようやく読みました。。。
阪神タイガースからMLB・ニューヨーク・メッツへ移籍する頃の新庄剛志選手を追ったエッセイです。

新庄くんは、アホじゃない!


印象に残った箇所を引用。

P36
やっぱり新庄くんはわからない。わからない人に「優勝してくれ」なんて言えない。勝ち星の計算は科学や経済学に依拠したチームに任せておけばいい。泣いて笑ってズルーツとこけて、それでも私は、新庄剛志を見つづける。新庄剛志にゼニを払うぞ。


P172
新庄という選手は、誰もが予想できないプレーをするんじゃなくて、予想するのも恥ずかしいプレーをしてしまうところが魅力なんです。


P177
2000年5月25日甲子園球場。数時間前、私はベンチ裏の占びた会議室で新庄剛志と対面していた。テーマは、「ホームランを打つ感触について」だった。
ホームランバッターは、それぞれ独特のボールに対する「言葉」を持っているものだ。
「ボールを潰す」と表現する打者もいる。「ボールを乗せる」と言う人もいる。新庄剛志にとって、ホームランを打つということは、来たボールをどうすることなのか。
「わからないです。バッティングのことはあまり聞かないでください(白い歯がキラリ)」


P199
我々、日本人はなぜ、カネを払って球場のスタンドに腰を下ろすのか。
合理的に立ち回ってリスクを巧妙に回避する人間を見るために、ではない。それを見るなら会社で残業をしていればいい。あえてリスクにぶつかっていき、手痛い失敗をする人間を見るために疲れた虎キチのサラリーマンは球場に立ち寄る。


大学時代の恩師が、プロ野球についてこんなことを仰っていました。
「プロっていうのは、勝つ事が仕事じゃないの。勝とうが負けようが、観てる人に『ああ、気持ちよかったな』って思わせるのがプロなの。」

新庄剛志(元)選手は、紛れもない天才だと思う。
努力しないとか、言っていることの意味が解らないだとかの批判はあるけれど、彼がその類まれな身体能力を活かして、「想像するのも恥ずかしいプレー」を見せられたら、彼が活躍しようが失敗していようが、「気持ちよかったな」と感じさせられてしまう。

この「新庄くんは、アホじゃない!」が出版された頃、彼はどこか燻った感じのある選手だった。
メジャーに行って、「通用した」という人もいれば、「通用せずに帰って来た」という人もいる中、日本ハムで強烈な印象を残して引退した彼は、プロ野球再編問題からファンのためのプロ野球を取り戻した立役者だったと思う。

僕にとって新庄剛志のプレーで一番印象に残っているのは、日本ハム時代、2004年オールスターゲームでのMVP。
「MVPは僕のものです」という発言から始まった彼のプレーは、「ホームラン予告をしておいてセーフティーバント(しかも成功)」、「相手ベンチにもバレている中でのホームスチール成功」という、マンガでも書かないような恥ずかしいプレーで、本当にMVPになってしまう。
しかもヒーローインタビューでは、「北海道を出る時に、MVPを取ると言っていましたが、本当に取れるとは、思ってました!」とさらに場内を笑わせる。
そして最後に、「これからは、パ・リーグです」と、プロ野球再編問題に揺れていた中での、カッコ良すぎる一言を残す。

彼が居なければ、プロ野球にお金を払う人は、ほとんど居なくなっていただろうと思う。
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posted by わけい at 21:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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