2013年06月23日

自分でできる対人関係療法(水島 広子)

「対人関係療法」は、もともとはうつ病の治療法としてアメリカで開発されたものですが、認知療法とともに効果が実証されている数少ない精神療法のひとつで、最近は摂食障害やPTSDなど、さまざまな治療法として活用されています。

対人関係にまつわる悩みは誰にでもあるはず。
「対人関係療法」を学びながら、日常のちょっとしたコツをわきまえて、じょうずなコミュニケーションのノウハウを身につけましょうという感じの本。

対人関係の深刻過ぎる悩みや、病的な問題が深すぎない人には、たしかに「自分でできる」という通り、手軽に応用ができるように思います。
ただ、一言で言ってしまえば、「人(特に配偶者や家族などの『重要な他者』)に対して言いたいことはちゃんと言った方が良いですよ」っていうことになってしまいますが。。。

自分でできる対人関係療法



目次
1 あなたの人間関係をチェックしよう(対人関係がストレスをためる
あなたの対人関係の質をチェックしよう
コミュニケーション上手になろう)
2 それぞれの問題へのとりくみ方(大切な人を失ったとき
相手とのズレに悩むとき
変化にうまく適応できないとき
誰ともうまくいかないとき
困難に直面したとき
対人関係療法の応用とコツ)
3 よりよい人生に向かって(心の健康のための仕上げ)


印象に残った箇所を引用。

P45
相手を批判する場合はどうでしょうか。批判するときには、やはり碗曲な言い方でなければと思うかもしれませんが、批判というのは、相手に変わってほしいというメッセージですから、必要十分なものでなければ意味がないどころか有害です。婉曲なために意図が正しく伝わらなければ、状況は変わらず、こちらのストレス状況も回復しません。意図が誤って伝われば、取り返しのつかないことにもなりかねません。
(中略)
伝える内容は妥協せずに、伝え方を最大限工夫することが必要です。


P57
お通夜やお葬式というのは、形式的なようでいて、案外重要な儀式です。そこに行けば、嫌でも相手が亡くなったという現実に直面するからです。また、親しい人同士でともに悲しみ合う場としても重要です。
病院の霊安室などに駆けつけて泣き崩れている人の悲しい光景を見ることがありますが、あの瞬間、その人は間違いなく相手の死という現実に直面させられているのです。だからこそ、激しい感情におそわれるのです。
「お葬式に行ったところで彼が生き返るわけでもない」と、儀式を避けてしまうと、悲哀のプロセスが「否認」のところで止まりかねません。
(中略)
大切な人や大切なものを失ったときは、悲しみのプロセスをいかにうまく完了するかということが重要です。思いっきり悲しむことと、悲しみの感情を人と共有することが、何よりも大切なのです。ですから、「早く立ち直ろう」とするよりも、まさに「急がぱ回れ」なのだと肝に銘じるべきだと思います。早く立ち直りたければ、悲しみにあえて直面してみたほうがよいのです。悲しみの総量は決まっていて、先送りしても、いつかどこかで、それも歪んだかたちで体験しなければならないのだとしたら、早く悲しみ抜いてしまったほうが楽だと思いませんか。


P91
役割の変化をうまく乗り越えるには、古い役割と新しい役割それぞれのプラス面とマイナス面をバランスよく見ていくことが必要です。そのためには、むしろ意識して、古い役割のマイナス面、新しい役割のプラス面を考えていくくらいのほうがうまくいきます。
(中略)
「役割の変化は乗り越えにくい」ということをよく理解して取り組むことです。つまり、私たちは、新しい役割には不安を感じやすいし、古い役割は理想化しやすいのです。この傾向を十分に理解したうえで、古い役割と新しい役割のよい面と悪い面をバランスよく客観的に見渡し、役割の変化が乗り越えられるものなのか、乗り越えるべきものなのかを判断しましよう。


P145
失敗を恐れてコミュニケーションを避けるよりは、失敗をしたときの危機管理を学んでおくほうが望ましいことです。というのも、伝えなかったことは永遠に伝わる機会がありませんが、言い過ぎたことや。言い間違えたことは、あとから修正できるからです。


P161
今の立場を離れれば基本的に縁がなくなるのが第三層の人です。自分の人生を圧迫しているかのような感覚があっても、しょせんはその程度の人なのだということを認識しましょう。そのうえで、簡単に改善できることはしたほうがよいですが、そうでなければ、関係の改善に努めるよりも相手の言動に鈍感になろう、と気持ちを切り替えたほうが楽です。


P171
ストレスを感じているときに、自分にどういうサインが出るかを知っておくことも重要です。
ストレスがたまると、抑えておけなくなったストレスは、自分にとってもっとも敏感なところから噴き出してきます。怒りっぽい人はますます怒りっぽくなります。お酒に走りやすい人の場合は、お酒の量が増えます衝動買いしやすいタイプの人は、お金の無駄だとわかっていても、買い物が増えます、引きこもりがちになる人の場合は、電話に出たりするのも嫌になったりします。反対に、電話やメールで常に人と連絡をとっていないと落ち着かなくなる人もいます。やけ食いに走る人、反対に、食欲がなくなる人、部屋がまったく片づけられなくなる人、あるいは、部屋の散らかりがやたらと目につくようになる人など、人によってさまざまです。自分がストレスを感じているときにどいうクセが出やすいか、ということは是非一度考えておきましよう。

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posted by わけい at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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