2014年05月29日

渋滞学(西成 活裕)

以前読んだ「図解雑学 よくわかる渋滞学(西成 活裕)」で興味深かったので、より詳しい本を読んでみました。

渋滞学 (新潮選書)



目次
第1章 渋滞とは何か
第2章 車の渋滞はなぜ起きるのか
第3章 人の渋滞
第4章 アリの渋滞
第5章 世界は渋滞だらけ
第6章 渋滞学のこれから

印象に残った部分を引用。

P45
無料ではなく、遅延による払い戻しシステムを採用するのは、道路サービス提供側の渋滞解消への努力目標にもなるので、結構良いアイディアなのではないかと私は考えている。


P216
人のルーティングの場合、東京ディスニーランドが素晴らしいシステムを持っているといつも関心している。
(中略)
このサプライズ・ファストパスは、実は客を時間的にだけでなく空間的にもうまく分散させる効果があるのだ。しかもその誘導の仕方は、「すいているからあちらのアトラクションに回って下さい」という客の意思に反した不本意な誘導でなく、「ラッキープレゼント、この時間に行けばこのアトラクションがすぐ見られますよ」といった、行くことを楽しいと感じさせる方法なのだ。この差こそが、東京ディスニーランドを一流のテーマパークたらしめているゆえんの一つだろうと思う。


P239
公式とは絶対のものではなく、様々な仮定のもとで導かれたものであることを忘れてはならない。その仮定が成り立たないような状況では、公式自体が成立しないのだ。それを知らずに設計すると大変な事故につながりかねない。やはり自分が使っている武器は完全に理解しておくべきで、このような教育を省略して真の創造的な応用技術は生まれない。


P241
長々と理学と工学の融合について書いたが、実は「渋滞学」は基礎研究と応用研究が直接結びついている格好のテーマなのだ。少し専門的になるので詳細は割愛するが、基礎研究としては数学でいえば確率過程論や可能モデルとの関連、また非マルコフ性が入った場合の取り扱い、グラフ理論などと深い関係があり、基礎物理では非平衡統計力学や機能性液体力学とも関わっている。また応用研究ではもちろん渋滞解消とその環境効果や経済効果と関連しており、また災害時の避難安全など重大な課題とも関係している。したがって、この渋滞学をキーにして最新の理学と工学の橋渡しができるようなプロジェクトを実践できれば、それは私にとって、最高の喜びである。
本書によって、このように新しい広がりを持つ渋滞学に、一人でも多く興味を持っていただけたのではないかと期待しつつ筆を置きたい。

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To Be Freedom@読書三昧: 図解雑学 よくわかる渋滞学(西成 活裕)

posted by わけい at 07:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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