2015年12月11日

スタンフォードの自分を変える教室(ケリー・マクゴニガル (著), 神崎 朗子 (翻訳))

現代人に大切なことを学べると思います。
特に、ストレスとの付き合い方は、参考になることばかりでした。

スタンフォードの自分を変える教室




目次
■Introduction 「自分を変える教室」へようこそ : 意志力を磨けば、人生が変わる
■第1章 やる力、やらない力、望む力 : 潜在能力を引き出す3つの力
出世も勉強も寿命も「意志力」が決める
脳は1つでも「自分」は2人いる
マイクロスコープ:もうひとりの自分に名前をつける
意志力の実験:5分で脳の力を最大限に引き出す
■第2章 意志力の本能 : あなたの体はチーズケーキを拒むようにできている
食べ物で「意志力の保有量」が変わる
意志力の実験:呼吸を遅らせれば自制心を発揮できる
「運動」すれば脳が大きくなる
この2つを「しなければ」意志力が上がる
意志力の実験:体にリラクゼーション反応を起こす
■第3章 疲れていると抵抗できない : 自制心が筋肉に似ている理由
「1分の自制」の消費エネルギーはミント半分以下
腹が減っていると危険を冒してしまう
意志力の実験:お菓子の代わりにナッツを食べる
「難しいほうを選ぶ」ことを繰り返す
■第4章 罪のライセンス : よいことをすれば悪いことをしたくなる
しようと考えただけで、した気になってしまう
「やることリスト」がやる気を奪う
サラダを見るとジャンクフードを食べてしまう
人には「明日はもっとできる」と考える習性がある
■第5章 脳が大きなウソをつく : 欲求を幸せと勘ちがいする理由
人が刺激を「やめられない」脳の部位
快感の「予感」が行動を狂わせる
「欲しいもの」は反射的に不安を生みだす
意志力の実験:快感の誘惑に負けてみる
■第6章 どうにでもなれ : 気分の落ち込みが挫折につながる
大半の「ストレス解消法」は意味がない
タバコの警告表示はなぜ「逆効果」なのか?
意志力の実験:失敗した自分を許す
「変わろうと思う」だけで満足してしまう
■第7章 将来を売りとばす : 手軽な快楽の経済学
「すぐに」手に入れないと気が済まない
「5年後の成果」など脳は望んでいない
意志力の実験:「10分待つ」と何が起こるか?
2カ月後の約束なら「より多く」を引き出せる
■第8章 感染した! : 意志力はうつる
肥満はこうして感染する
脳は「目にした失敗」をまねたがる
「好きな人」から感染する
「最後の授業」で言い渡した課題
■第9章 この章は読まないで : 「やらない力」の限界
頭に浮かぶことは真実だと思い込む
マイクロスコープ:「皮肉なリバウンド効果」を検証する
「考えるな」と言われたことを「実行」してしまう
「思考」を抑えつけず「行動」だけ自制する
■第10章 おわりに : 自分自身をじっと見つめる


印象に残った個所を引用
P48
メールをチェックしたあとに自分がどんな気分になっているかに注意を向けるうちに、メールをチェックするのは、じつはかゆいところをかくのと同じくらい逆効果だとミシェルは気づきましたーかけばかくほどかゆくなってしまうのですから。


P86
肝心なのは、早く寝るように心がけるよりも、起きてだらだらといろんなことをやり続けるのをやめることでした。リサはルールを決め、夜11時をすぎたらパソコンもテレビも消し、新しいことを始めないようにしました。


P120
疲れたと感じると、それをいいことに私たちはエクササイズをサボったり、夫や妻にあたり散らしたり、ダラダラしたり、健康的な料理をつくる代わりにピザを注文したりしてしまいます。
まったく、日常生活の用事をこなすだけでも意志力はすり減っていくのですから、完壁
な自己コントロールを求めるなど愚かなことです。しかし、もう疲れてダメだと思ったときでも、意志力には余力があるかもしれません。
こんど"疲れすぎて"自己コントロールを発揮するなんてムリだと思ったときには、最初に感じた疲労をはねとばして、ねばってみましょう。


P152
選択を行なうたびに、それが将来にわたってずっと影響を及ばすことを認識しましょう。
つまり、「このチョコバー、食べちゃおうかな?」ではなく「これから1年、毎日毎日、午後になったらチョコバーを食べることになるけど、それでもいいわけ?」と確認するのです。あるいは、やるべきことをずっとやっていないなら、「やっぱりこれは今日やったほうがいいかな、それとも明日でもいいかなあ」ではなく、「ずっとこうやって先延ばし
にして、あとでツケが回ってきてもいいの?」と自分に問いかけてみましょう。


P163
意志力のチャレンジに取り組むにあたり、道徳的によいことをしているような気分になると、よいことをした分、悪いことをしてもかまわないような勘ちがいを起こしてしまう。自己コントロールカを向上させるには、道徳的な善し悪しよりも、自分の目標や価値観をしっかりと見つめること。


P189
欲望を感じているとき、私たちはいい気分でいるとは限りません。ときにはどうしようもなく最低な気分になるほどです。ドーパミンのおもな役割は私たちに幸せを「追い求めさせる」ことであって、私たちを幸せにすることではないからです。ドーパミンは私たちに多少のプレッシャーを与えてでも幸せを追い求めさせようとします。その過程でこちらが不宰な気分を味わおうがおかまいなしです

P191
一心不乱に欲しいものを求め続け、それを手に入れるためなら努力を惜しまず、苦痛さえもいとわないようなとき、私たちはそれほどまでに欲しいものが実際に手に入ったら、きっと幸せになれると思い込んでいます。気がつけばいつもチョコバーや新しいキッチン用品を衝動買いしたり、お酒のお代わりを注文したり、新しいパートナー、もっといい仕事、もっと儲かる株......そうやって際限なく追い求めている内に疲れ切ってしまいます。
報酬への期待があまりにも強烈なせいで、私たちは少しも楽しくないのに欲しいものを求め続け、満足をもたらすどころか悲惨な結果を招くものを消費し続けます。ドーパミンのおもな働きは報酬を追い求めることですから"ストップ"信号を出すことなどありえません。たとえその報酬が期待はずれだとわかっても、やめようとしないのです。


P200
つまるとろ、欲望じたいはよくも悪くもありません。大切なのは、欲望によって自分がどこへ向かおうとしているのか、そしてどういう場合なら欲望に従ってもよいかを見きわめられるかどうかなのです。


P207
大半のストレス解消法は役に立たないとしても、なかにはほんとうに効果があるものもあります。米国心理学会は最も効果的なストレス解消法として、「エクササイズやスポーツをする」「礼拝に出席する」「読書や音楽を楽しむ」「家族や友だちとすごす」「マッサージを受ける」「外へ出て散歩する」「瞑想やヨガを行なう」「クリエイティブな趣味の時間をすごす」などの例をあげています(最も効果が低い方法は、ギャンブル、タバコ、お酒、やけ食い、テレビゲーム、インターネット、テレビや映画を2時間以上観る、などです)。
効果のある方法とない方法では、おもにどこがちがうのでしょうか?
ほんとうに効果のあるストレス解消法は、ドーパミンを放出して報酬を期待させるのではなく、セロトニンやγアミノ酪酸などの気分を高揚させる脳内化学物質や、オキシトシンなどの気分をよくするホルモンを活性化させます。また、脳のストレス反応をシャツトダウンし、体内のストレスホルモンを減らして治癒反応や弛緩(リラクゼーション)反応を起こします。
そのようなストレス解消法を試した場合は、ドーパミンが放出されたときのように興奮したりはしないため、どんなに気分がよくなったか、はっきりとは気づかないことが多いのです。したがって、私たちがそのような効果的なストレス解消法を忘れがちなのは、効果がないからではありません。ストレスを感じているときの脳は、どうすれば気が晴れるかについて正しい判断ができないからです。そのため、確実に気分転換ができる方法を私たちは選ばないことが多いのです。こんどストレスを感じて息抜きをしようと思ったときは、「効果的な息抜き方法」を試してみましょう。


P209
政治の話はともかく、恐怖管理理論からは意志力の問題における失敗について多くのことを学ぶことができます。恐怖を感じたとき、私たちがすがりつくのは銃や神さまだけではありません。多くの人はクレジットカードやカップケーキやタバコにすがりつきます。数々の実験が示しているとおり、いつかは死ぬ運命にあることを思い出すとき、私たちはありとあらゆる誘惑に負けやすくなります。楽しい気分になれるものでほっとひと息ついて、希望や安心感を得ようとするからです。


P210
多くの人にとって、楽観的になったり気持ちを落ち着けたりするには、買い物はお手軽な方法です。私たちアメリカ人は、ジョージ・W・ブッシュ大統領の願いを喜んで聞き入れました。「ミセス・ブッシュと私は、アメリカ国民のみなさんにぜひショッピングに出かけてほしいと願っています」ーー2001年9月11日のテロ攻撃直後のブッシュの発言です。


P216
研究者たちが気づいたのは、ダイエットしている人の多くはちょっとつまずいただけでーーピザをひと切れ、ケーキをひと口食べてしまっただけでーーものすごく落ち込んでしまい、もうダイエットなんかしてもムダだとあきらめてしまうことでした。ダイエット違反を最小限に食いとめたいなら、あとひと口だって食べないほうがいいのに、開き直ってしまいます。「もういいや、どうせダイエットなんかもうパーだもん。こうなったら全部食べちゃえ。」


P221
意思力を強化するには自分にもっと厳しくするしかないと思っているかもしれませんが、そう考えるのはあなただけではありません。しかし、それはまちがいです。数々の研究でも明らかになっているとおり、自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招きます。また、自己批判はうつ病の最大の予兆であり、うつ状態では「やる力」や「望む力」が失われてしまいます。これに対し、自分への思いやりーー自分を励まし、自分にやさしくすることーーは、やる気の向上や自制心の強化につながります。


P228
変化をもたらす過程で最もラクで気分もいいのは、変わろうと決心するときです。そのあとは苦しいことが続きます。自制心を発揮して、やりたいことを我慢し、やりたくないことをやらねばなりません。実際に自分を変える努力をしているときの気持ちは、うれしさを感じるかという点からすれば、自分は変わるんだと想像するときのわくわく感とは比べものになりません。
そうなると、変わるんだという期待感だけは思う存分味わって、そのあとの大変なことから逃げてしまえば、ずっとラクだし楽しいのです。ですから、多くの人は自分を変えるための目標に向かってねばり強く努力を続けるよりも、「かんたんに目標をあきらめてはまた決心する」ということを繰り返してしまいます。あざやかに変身した自分の姿を想像すれば最高の気分に酔えるので、なかなかやめられないのです。


P231
実際に失敗を経験したときはーーそれは避けがたいことですーー失敗したことを許すのが大事で、なげやりになって誘惑に負けたり、目標をあきらめたりしないことです。こと自己コントロールに関しては、自分を責めるよりも、自分への思いやりをもつほうがずってとよい戦略です。


P232
第6章のポイント
落ち込んでいると誘惑に負けやすくなる。罪悪感をぐい去れば自信がもてる。
(マイクロスコープ)
▲「あなたが怖れていること」は何ですか?
テレビ、ラジオ、インターネットなどで見聞きする情報で、ストレスを感じるものに注意しましょう。
▲つまずいたとき自分に「何」を言っていますか?
意志力の問題で失敗をしたとき、罪悪感をおぼえたり、自己批判をしたりしていませんか?
▲「決心するだけ」を楽しんでいませんか?
自分の行動を変えるために具体的な努力をするより、みごとに変わった自分の姿を想像していい気分にひたっていませんか?

(意志力の実験)
▲根拠のある方法を実行する
こんどストレスがたまったときには、ほんとうに効果のあるストレス解消法を試してみましょう。エクササイズやスポーツをする、礼拝に出席する、読書や音楽を楽しむ、家族や友だちとすごす、マッサージを受ける、外へ出て散歩する、瞑想やヨガを行なう、クリエイティブな趣味の時間をすごす、などがおすすめです。
▲失敗した自分を許す
失敗しても、自分に対して思いやりをもちましょう。そうすれば罪悪感のあまり失敗を繰り返すことを避けることができます。
▲決意を持続させるためのシミュレーション
自分がいつどんなふうに誘惑に負け、誓いを破ってしまいそうかを予想してみましょう。


P242
もしあなたの意志力のチャレンジが「やる力」を必要とするものだとしても、この10分ルールを利用して、先延ばしにしたい誘惑に打ち勝つことができます。つまり、逆さまにして「10分経ったらやめてもよい」というルールにするのです。がんばって10分続けたら、やめてもよいことにしましょう。けれども、いったんやり始めると、たいていは続けたくなるものです。


P288
つまり、私たちが「自分」と思っているものには、自分が大事に思っている人も含まれているということです。私たちの自己意識は、他の人たちとの関係の上に成り立っており、多くの場合、他の人たちのことを考えることによってのみ、自分というものをとらえることができます。私たちの自己意識には、このように他の人たちが含まれているために、その人たちの選択が私たちの選択にも影響を及ぼすのです。


P301
私たちの脳は・驚くほど他の人たちの目標や、信念や、行動を、自分自身の決定に取り込んでいます。他の人たちと行動を共にしたり、あるいはその人たちのことを考えたりしただけで、その人たちは私たちの心のなかで「もうひとりの自分」と化し、自己コントロールに影響を及ぼします。その逆もしかりで、私たち自身の行動も、無数の人びとの行動に影響を及ぼします。自分の行なった選択が、他の人たちにとってよい刺激となったり、あるいは誘惑になったりするのです。


P302
第8章のポイント
自己コントロールはソーシャルプルーフの影響を受ける。そのせいで、他者の意思力にも誘惑にも感染する。

(マイクロスコープ)
▲あなたの「感染源」を発見する
仲間うちにあなたと同じ意志力に関する問題に取り組んでいる人はいますか?
▲誰の「まね」をしていますか?
自分が誰かの行動をまねしているのに気づくよう注意しましょう。
▲誰の影響を受けていますか?
あなたにとって「親しき他人」は誰でしょうか? その人たちと同じことをあなたもやっていますか?あるいは、その人たちのほうがあなたと同じことをするようになりましたか?
▲努力するのを「ふつう」にする
ソーシャルプルーフのせいにして、自分の意志力のチャレンジなどあえて取り組む必要はないかも、なんて思ったことはありますか?

(意志力の実験)
▲意志力の「免疫システム」を強化する
他の人たちの意志力の失敗に感染しないように、一日の始まりに数分間、自分の目標についてあらためて考える時間をもちましょう。
▲「鉄の意志をもつ人」のことを考える
もう少し意志力を強くしたいと思うときほ、お手本にしたい人のことを心に思い浮かべましょう。そして、鉄の意志をもつあの人なら、こんなときはどうするだろう、と考えてみましょう。
▲「認められたいカ」を作動させる
意志力のチャレンジをみんなに宣言しましょう。そして、目標を達成したらどんなに自分を誇らしく思うだろうと想像しましょう。


P312
どうしたらこんな悩ましいジレンマから抜け出せるのでしょうか?この「皮肉なリバウンド効果」に対し、ウェグナーは"皮肉な"解毒剤を提案しています。それは、あきらめること。好ましくない考えや感情をコントロールしようとするのをやめれば、そういった考えや感情に振り回されなくなります。
脳の活性化に関する実験において、参加者が頭のなかで考えないようにしていることについて話してもよいと許可されたとたん、それまで頭にしつこくこびりついていた考えが、あまり意識にのぼらなくなることが確認されました。矛盾しているようですが、考、えてもよいと思ったことは、あまり考えなくなるわけです。
この方法は、さまざまな望ましくない内的体験に向き合う場合にも役に立つことがわか
りました。頭に浮かんでくる考えをムリに抑えつけたりせず、感じるがままに感じようと腹をくくることはーーただし、頭に浮かぶことが真実とは限らず、感じたとおりに行動す
る必要はないと理解したうえでーー不安や憂うつ、異常な食欲、依存症などに対処するのにも効果的な方法です。これから紹介する例を見ていけば、内的体験をコントロールする
のをあきらめることによって、自分の行動を以前よりもコントロールできるようになるのがわかるでしょう。


P326
ある受講生の男性は「遅刻しない」という目標を「一番乗りで到着する」もし
くは「5分前に到着する」という目標に置き換えることにしました。
たいしたちがいはないように思うかもしれませんが、そのおかげで彼は以前よりもずっ
とやる気が出ました。時間通りに到着したら「レースに勝った」と思うことで、めったに遅刻しなくなりました。やってはいけないことよりも、むしろやりたいことに注目すれば、皮肉なリバウンド効果を避けることができます。

この方法を試してみようと思ったら、今週は「〜しない」ではなく「〜する」というポジティブな行動に取り組みましょう。そして、1週間続けたあとに、もとの「やらない力」のチャレンジを行なった場合と、今回のように「やる力」のチャレンジに変えて行なった場合の、それぞれの効果をふり返って比較してみましょう。


P333
思考や感情をコントロールしようとするのは、多くの人の期待に反して逆効果をもたらします。けれども、私たちの多くはそれに気づこうとせず、失敗してもなおまちがった方法にしがみつきます。望ましくない考えや感情を頭から追い払おうとしてますますムキになりますが、そんなふうにして自分の心を危険から守ろうとしてもムダなのです。
ほんとうに心の平安を望み、自己コントロールを向上させたいなら、頭に浮かんでくる考えをコントロールすることは不可能だという事実を受け入れる必要があります。私たちにできるのは、自分が何を信じ、何に従って行動するかを選択することです。
人気ブログランキングへ
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村


posted by わけい at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック