2016年11月21日

のぼうの城(和田 竜)

映画にもなった時代小説。
説明不要ですかね。
楽しく読めました☆


のぼうの城




印象に残った個所を引用

P141
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なきものの鼻面をいいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。わしだけはいやじゃ」


P163
「しょうがねえなあ、あの仁も」
たへえは、ひいひい言いながら笑いを呑み込み涙を拭くと、ようやく言葉を発した。
「のぼう様が戦するってえならよう、我ら百姓が助けてやんなきゃどうしようもあんめえよ。なあ皆」
そうたへえが一同に呼びかけると、皆、「ああ」とか「ったくよお」などと、とうてい領主の徴発に応じる百姓とはおもえない態度で返している。
赤子が泣いている。どう諭しても泣き止みそうもない。しょうがないから望みのものを与えてやる。そんな調子であった。
恐ろしい領主に引きずられて城に行くのでもなければ、領民を慰撫する物分かりのいい領主を慕って入城するのでもない。それらはいずれも下から上へ仰ぎみる思考である。彼らを突き動かしたのは、そんな従属から発する思考ではなかった。
--俺たちがついてなきゃ、あののぼう様はなにもできゃしねえ。
そんな馬鹿者を守ってやるという一種の義侠心が、彼らを突き動かしていた。


P199
靭負は敵を見渡しながら、『孫子計篇』の一節を暗誦していた。
--有能なるも敵には無能を示せ。
(初歩の初歩である)
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posted by わけい at 22:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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