2017年05月05日

申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。(カレン・フェラン (著), 神崎 朗子 (翻訳))

コンサルタントの経験、失敗談から、正しいコンサルタントの使い方を教えてくれる本。
そこには、人生で大切なことも、たくさん詰まっているように思いました。





目次

はじめに:御社をつぶしたのは私です

■Introduction 大手ファームは無意味なことばかりさせている
コンサルは「芝居」で商売している
ビジネスは「数字」では管理できない
数人の「コンサル」が歪んだ流れをつくった
「確実に間違っている」理論の数々

■第1章 「戦略計画」は何の役にも立たない : 「画期的な戦略」でガタガタになる
マイケル・ポーターが「武器」を生んだ
ジャック・ウェルチの怒涛の人員整理
分析を「グラフ」にするだけで感心される
「分析」に従わなかったから成功した
ポーターと「真逆」の理論
お得意の「人員削減」を自社で行うはめになる
大企業が「正しい経営」のせいで消える
ダメな戦略を生む「5つのステップ」
コンサルが去ったあとに残るのは「大量の資料」だけ

■第2章 「最適化プロセス」は机上の空論 : データより「ふせん」のほうが役に立つ
謎の「保進係」の仕事
流行のメソッドを次々と使う
「ブラウンペーパー」というアナログな方法
単純な「話し合い」が効果を発揮する
ビジネスモデル自体に「問題」があったら?
頑迷なコンサルの「ツール」信仰
「ツール」が機能しない決定的な理由
「バカだと思われたくない」という問題

■第3章 「数値目標」が組織を振り回す : コストも売上もただの「数え方」の問題
「実行」するのはコンサルではない
人事評価も「ダッシュボード」で簡単に処理
なぜ目標を達成して「赤字」になるのか?
達成のために「評価基準」を変えてしまう
「会計」や「財務報告」は細工しほうだい
評価項目が無限に増えていく
問題は「最適化」ではなかった
組織が機能しない本当の理由
正しく動くと評価されない
指標の導入で「無意味な仕事」が増える
「革新的な製品」が生まれない仕組み

■第4章 「業績管理システム」で士気はガタ落ち : 終わりのない書類作成は何のため?
マッキンゼーコンサルタントの(大外れの)予言
育児雑誌のように恐怖をあおる
自らつくった「業績管理システム」で大混乱
あけてくれても「書類」をつくる
面倒なうえ「能率」も落ちていくばかり
公正に見える「不公正」なシステム
98%の社員が「自分は真ん中より上」と思っている
なぜ「考課」で業績が落ちるのか?
「インセンティブ報酬」は逆効果を生む
BSCで報酬を出した企業の業績は平均以下だった

■第5章 「マネジメントモデル」なんていらない : マニュアルを捨てればマネージャーになれる
609ページ、433の項目を使いこなせ
グーグルが導き出した画期的な「8つの習慣」
データ主義のプレゼンテーションの結果
「コーチング」と「フィードバック」だけでは育たたない
「データマイニング」なしでもわかる4つの原理
グーグルVSスティーブン・コヴィー
要は「何」を言っているのか?
「マネジメント本」はまじめに読むとばかばかしい

■第6章 「人材開発プログラム」には絶対に参加するな : こうして会社はコンサルにつぶされる
コンサルタントがエンロンをつぶした
社員は「ランク付け」できるのか?
一度の失敗が「致命的」になるシステム
スターはダメな部分も「魅力」に見えてしまう
研修を受けると「出世コース」から外れる
Aクラスの社員を「開発」しようとして失っている
「ピーターの法則」はジョークではない
昇進すればクビになる
業績が悪い理由は「能力」より「環境」が大きい
直接聞けばいいことを「スコア」で判断する
人事のあらゆる問題を解決する方法

■第7章 「リーダーシップ開発」で食べている人たち : リーダーシップを持てる「チェックリスト」なんてない
「リーダーシッププログラム」はどれが正しい?
カリスマはなくても「優れたリーダー」になれる
ベニスとガードナーのあげるバラバラの「条件」
リーダーシップの「本質」がさっぱりわからない
アセスメントで出た私の「長所」と「短所」とは?
こんなにマスターできる人間はいるのか?
なぜ「精神病質者」は偉大なCEOになれるのか?
人格者は成功しないのか?
謝罪したい「スキル開発」研修の実態
何でも得意になろうとして「凡庸」になる

■第8章 「ベストプラクティス」は“奇跡"のダイエット食品 : 「コンサル頼み」から抜け出す方法
「科学的管理法の父」のまちがい
「お手軽なステップ」をいつまでも繰り返す
頭を使いたくないからコンサルに決めさせる
「まやかしの専門用語」をやめる
コンサルタントの「使い方」


印象に残った個所を引用
P2
この30年、多くの企業に入り込み、「目標による管理」だの「競争戦略」だのとお題目を唱えて回ったすべての経営コンサルタントを代表してお詫びします。御社を潰したのは私です。


P23
私が本書によって訴えたいのは、これ以上、職場から人間性を奪うのはやめるべきだということ。そして人材のマネジメントさえできれば、あとはすべてうまくいったも同然ということだ。



P28
さて、ここで目的をはっきりさせておきたい。本書の要点は従来のビジネスの常識の誤りを暴くことであり、まちがっても与するものではない。私の提案は、役に立たない経営理論に頼るのはもうやめて、代わりにどうするかということだ。ともかく大事なのは、モデルや理論などは捨て置いて、みんなで腹を割って話し合うことに尽きる。対話や人間関係の改善がビジネスに利益をもたらすことを研究によって証明したわけではないが、真偽の判断は読者に委ねよう。


P284
人間は互いに人生を生きるに値するものにする義務がある。文明の進歩に従って、大量虐殺や奴隷制度はほとんど見られなくなっている。月給取りだからといって、会社で奴隷のように扱われるのを我慢すべき理由などありはしない。


P285
コスト削減を口実に、従業員を奴隷のように扱うことがあってはならない。ただでさえ職場はストレスにあふれ、まともな休暇も取れないのに、長時間労働を強いられ、昼食をとりながらの仕事も当たり前のようになっているのだ。効率の面から考えても、ふざけた話である。社員が思考能力を働かせ、生産的であるためには、休息や運動が必要であり、定期的な休憩も欠かせない。ところがコスト削減の取り組みでたいていまっさきに削られてしまうのは、無料のコーヒーや、社員食堂の安いランチやジムの会員費の割引など、社員の福利厚生サービスなのだ。 そうやってコストを削減したものの、そういうサービスこそが生産性の向上に役立っていたことに気づいても、あとの祭りである。社員への投資が、収益や利益の増加など会社の業績向上につながることを示すデータはいくらでもある。


P299
クライアントが最もやってはいけないことは、コンサルタントを雇って、自分たちの代わりに考えさせることだ。コンサルタントは分析や提言を行い、様々な分野の知識を提供し、状況に対する新しい見方を示すことはできるが、企業の成功や失敗のカギを握るのは経営陣であるべきで、外部のアドバイザーに任せるべきではない。


P309
「どうやって」解決するかを考えるまえに、少しでも時間を取って「なぜ」問題が起こったのかを考えるほうが、結局は時間の節約になる。


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posted by わけい at 14:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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