2017年05月05日

火花(又吉 直樹)

お笑いコンビ・ピースの又吉さんの小説。
若手漫才芸人を題材にした作品ですが、芥川賞を受賞して話題になりましたね。





印象に残った個所を引用
「笑われたらあかん、笑わさなあかん。って凄く格好良い言葉やけど、あれ楽屋から洩れたらあかん言葉やったな」と神谷さんが言った。
下北沢の駅で人が沢山降りたが、降車したのと同じくらいの人間がまた乗ってきた。
「あの言葉のせいで、笑われるふりが出来にくくなったやろ?あの人は阿呆なふりしてはるけど、ほんまは賢いんや。なんて、本来は、お客さんが知らんでいいことやん。ほんで、新しい審査の基準が生まれてもうたやろ。なんも考えずにこの人達阿呆やなって笑ってくれてたらよかったのにな。お客さんが、笑かされてる。って自分で気付てづいてもうてんのって、もったいないよな」


世間からすれば、僕達は二流芸人にすらなれなかったかもしれない。だが、もしも「俺の方が面白い」とのたまう人がいるのなら、一度で良いから舞台に上がってみてほしいと思った。「やってみろ」なんて偉そうな気持など微塵もない。世界の景色が一変することを体感してほしいのだ。自分が考えたことで誰も笑わない恐怖を、自分で考えたことで誰かが笑う喜びを経験してほしいのだ。
必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう?一度しかない人生において、結果が全く出ないかもしれないことに挑戦するのは怖いだろう。無駄なことを排除するということは、危険を回避するということだ。臆病でも、勘違いでも、救いようのない馬鹿でもいい、リスクだらけの舞台に立ち、常識を覆すことに全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。それがわかっただけでもよかった。この長い月日をかけた無謀な挑戦によって、僕は自分の人生を得たのだと思う。

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To Be Freedom@読書三昧: スクラップ・アンド・ビルド(羽田 圭介) http://dokusho-kiroku.seesaa.net/article/449612410.html

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posted by わけい at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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